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2.優秀な人材が求めているものとは何か?採用活動で威力を発揮する採用マーケティング

2015.04.20

2.優秀な人材が求めているものとは何か?採用活動で威力を発揮する採用マーケティング

企業の採用活動において、とても重要な第1段階は母集団形成だ。良い人材を確保するためには良い人材が含まれた応募者を集める必要があるわけで、ただ人数を集めるだけでは意味がない。

そのために求められるのは、採用側が選ぶという発想だけでなく、それと同時に企業も応募者から選ばれる存在であるという認識だ。その構図は消費者から選ばれるためには消費者のことを知ることから始めるマーケティングと全く同じだ。採用活動で威力を発揮する、採用マーケティングの手法を解説しよう。

応募者が企業に求めているのは自身が活躍できる具体的なイメージ

就職活動において応募者は、自分の能力を発揮できる場所、高められる場所を求めている。高い収入などといった成果を求めるためには、まずは能力を発揮できて評価される環境が必要であることを認識している。この傾向は優秀な人材ほど顕著なので、会社説明会など企業側のアピール機会では応募者が求めている環境が用意されていることを伝える必要がある。

近年では応募者の本音をSNSで垣間見ることができるが、ツイッターに投稿されている「応募者が企業に求めること」を拾い上げてみよう。

  • 評価が適正であること
  • 給料をたくさん稼げること
  • 社内のコミュニケーションが活発であること
  • 尊敬できる人がいること
  • 自分の仕事が誰かの役に立つこと
  • 楽しさがあること
  • 社会人として成長できる環境
  • 地域に貢献していること(震災を経験して思うようになった)
  • コンプライアンス、安定した経営
  • 福利厚生、女性の働きやすさ
  • 挑戦的な社風

他にも無数にピックアップすることができるが、全体的な印象として、自分が入社した後に社員として活躍できることを今からイメージできるかどうかに関心が向いていることが読み取れる。長期的な経営ビジョンややりがい、短期的な高収入などをアピールするよりも、応募者それぞれが自分の社会人像をイメージしやすいことが重視されているのではないだろうか。

母集団形成は数よりも質

母集団形成において、とにかく応募者を多くするために「大きく稼げる」というニュアンスの射幸心を煽るようなアピールをする企業がある。これで一時的に母集団を大きくすることは可能だが、その中に求めている人材がどれだけ含まれているかは不明で、仮に妥協をして採用したとしても本人の適性と企業の要望がマッチングできていなければ、早期退職につながってしまう。

あくまでも企業が求める人材が含まれている良質な母集団形成をすることが大切で、極端な話をすれば数人しか母集団がいなくてもその全員が採用に適した人材であれば、採用活動を成功したと言えるのだ。

会社説明会は採用マーケティングの第1段階

株式会社毎日コミュニケーションズの「就職活動状況の定点調査」によると、なんと65%前後の学生が就職活動をスタートさせた後で第一志望の企業が変わっている。しかも、その中の約60%が会社説明に参加して変わったと回答している。会社説明会は採用活動の母集団形成において、とても重要な第一歩であることが窺える。

この認識で会社説明会を組み立てると、その内容は大きく変わってくる。マーケティングの世界では見込み客のことをリードと呼び、良質なリードを獲得する作業をリードジェネレーションという。マス広告を打つのではなく有望な見込み客に興味を持ってもらい、商談につなげる手法だ。

自らを大きく見せて、見込み客候補にならないような数だけの集客をしても意味はない。自らを正確に表現して共感してくれた人を集めるリードジェネレーションの手法を会社説明会に採り入れることで、自社の事業や業務に興味を持ち就職後のイメージを思い描いて活躍したいと考える応募者の比率が高くなるはずだ。

こうして集まった母集団の中から、採用適性検査という科学的アプローチによって本人が意識していない適性も正確に把握すれば、求めている人材を効率良く確保できる。

この記事のまとめ
この記事のまとめ

企業にとって採用活動はマーケティングそのものであるという立場で、採用活動は応募者を選ぶだけではなく、選ばれる作業でもあると認識するべき。応募者に見てもらえる企業、選んでもらえる企業の姿をしっかりと伝え、良い母集団を形成した上で採用適性検査から要望に合致する人材を見つけ出すのが、最も威力を発揮する採用マーケティングの流れだ。