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14. 適性検査を基に適材適所を目指す

2015.06.22

14. 適性検査を基に適材適所を目指す

適材適所は人事の理想だ。しかし、実際には言葉で表現するほど簡単なことではない。それぞれの人材が何に適しているのか、本人がどんな活躍の場を求めているのか、それをマッチングする作業はとても奥が深い。

そこで活用したいのが、適性検査だ。適性検査は採用時だけに利用するものではなく、本来は人事に幅広く利用されることを想定している。採用後の人事に適性検査を活用する方法やノウハウを紹介しよう。

 

適材適所のマッチング精度を向上

適性検査は一時的な能力を測るものではなく、その人の人間性や資質、性格や適性などを測るためのものだ。人間の本質はそんなにコロコロと変わるものではないため、採用時に実施した検査結果を採用後の人事にも役立てるのが本筋だ。

営業職への異動を検討する際にはコミュニケーション能力やアピール力、協調性などの適性が考慮の対象となり、管理職人事においてはリーダーシップやアサーション発揮力などが重視されよう。採用時にこうした情報を適性検査で取得しておけば、採用後の人事評価にも役立ち、最適な人材配置(つまり適材適所)のために資するものとなる。

特に本人が気づいていない自身の適性や資質などを知るのに適性検査は有効な手段となる。より精度の高いマッチングが実現することで、本人にとっても活躍の場が与えられるため、大きなメリットになる。

 

依然として強い、従来の人事システムへのこだわり

従来の人事では、社員の能力は日々の業務から上司が評価して人事に伝えられるというのが標準的な流れだ。年功序列の人事システムが依然として根強く機能しているのが日本の企業風土でもあるため、上司つまり年長者が経験に基づいて部下を評価するのが最も正しいというロジックを否定するのはかなりの冒険だ。

近年では年功序列を廃止した能力主義に移行しようとする企業も増えてきているものの、それに対するHR総研のアンケート調査では半数以上の回答者が年功序列の全部または一部の存続を支持している。依然として年功序列や、それに裏付けられた年長者による経験則の人事評価が支持される土壌は変わっていない。(http://www.hrpro.co.jp/mini_enq_rlt.php?enq_no=29)、

これはあながち間違いではなく、長い時間の積み重ねで得られる評価は非常に重要で、引き続き重視されて然るべきだ。それを科学的なアプローチで補完するのが適性検査という位置づけが望ましい。

 

人事評価にも使える適性検査を選ぼう

時間の積み重ねで得られた人物評価と、適性検査による人物評価。それぞれの視点からの評価で得られた結論が会社にとって、本人にとっての適材適所である可能性が高い。ここで重要なのは、採用後の人事も視野に入れ、こうした部分が適切に診断されているかということだ。整合性のある人物評価のためには、本人が気づいていない適性や資質をしっかりと可視化できる適性検査でなければならない。

適性検査を採用時や人事評価に採り入れていることだけで満足せず、それが人事に役立っていると実感できるかどうか。適材適所は、そのPDCAサイクルから生まれるのだ。

 

この記事のまとめ
この記事のまとめ

適材適所は人事の理想であり、会社組織の成長に大きく寄与する重要な要素だ。そのためには採用時から人材を潜在的な部分まで正確に評価できる適性検査と、日々の業務を通じて得られる評価が両輪となり、それぞれの評価から総合的に判断して人材を配置することが望ましい。