17. 採用適性検査の導入コストは?
採用適性検査の重要性、必要性を認識したところで、次に気になるのが費用だ。どんなに素晴らしいものであったとしても予算に合わなければ導入することはできない。現場で導入の重要性を感じても、その稟議書が通過して予算となるためには、費用の問題は避けられない関門だ。
導入前の目安となるよう、採用適性検査の標準的な料金システムや費用感を解説しよう。
主な実施形態は紙またはWeb
適性検査は主に、紙ベースまたはWeb上で行われている。紙ベースの実施形態は従来からあるもので、記述式になっているものからマークシート式までさまざまだ。選考の段階が初期であるほど選考対象人数が多くなるため、省力化のためにマークシートなどコンピューター処理できる形態が選択されやすい。記述式、マークシート式のいずれも回答用紙を集めて検査会社に送り、その結果がフィードバックされる仕組みだ。
また、近年ではWeb上でのエントリーが主流になっていることに合わせて、適性検査もWeb上で実施されることが多くなっている。Web上で行われる適性検査は応募者が好きな時間、場所で受検できるため、採用選考側と応募者双方の省力化というメリットがある。
価格比較は1人あたりの料金で
価格面で適性検査を比較する場合は、1人あたりの診断料金が根拠になる。適性検査サービスを提供している業者の広告を見ても、「1名あたり○○円」という表記が多く、最も比較しやすいこともあって1人あたりの価格が物差しとなっている。
パッケージ製品によってばらつきは大きいが、おおむね1人あたり1000円台から5000円前後までという価格設定に大半の製品が収まっている。こうしたテストはWeb上で実施されるSaaS形式で提供されており、さらに規模の大きな企業の場合は適性検査システムそのものを数百万円で買い取るという選択肢もあるが、多くの場合は1人あたりの料金設定で利用されており、価格比較の物差し通りになっている。
なお、マークシート式の場合はマークシート用紙を購入する必要があるため、これに1人あたり数百円のコストを上乗せするのが目安になる。
企業の本音は、価格よりも診断内容
採用適性検査は種類が多く、価格帯もまちまちであるため、選ぶ側にとっては自社に合ったものを探すのが意外に難しい。このように選択肢が広くなったのは、利用側である企業のニーズが高いからだ。
利益を追求するのが主目的である企業が利用者となるため、価格についてシビアな目を持っていることは確かだが、HR総研の「適性検査に関するアンケート調査」では、サービスの選定基準として「診断内容」が1位となっており、2位の「価格」を上回るという面白い結果が出ている。価格よりも質重視、結果重視ということで高い期待値とともに適性検査を選んでいる様子が窺える。(http://www.hrpro.co.jp/research_detail.php?r_no=83)
この記事のまとめ
採用適性検査は、主にマークシート方式やWeb方式で実施される。料金の比較は1人あたりの診断コストでなされることが多く、1人あたり1000円程度から5000円前後というのは標準的な相場だ。しかし、企業は価格よりも診断内容に関心を示しており、より正確な診断ができる適性検査を待望している。
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