採用検査HowToガイド

9.悩み解消!人事経験に採用適性検査をプラスすると…

2015.04.20

9.悩み解消!人事経験に採用適正検査をプラスすると…

未だに面接が大きなウェイトを占める日本企業の人事。もちろん面接試験は重要なプロセスだが、「会えばだいたいのことは分かる」という目に見えない自信のようなものが面接のウェイトを高めているとしたら、それは経験則だけに依存した人事である可能性が高い。

人事は人が相手の業務だけに経験は貴重な財産だが、それが人事の全てではない。経験則だけでは対応しきれない問題も顕在化している時代に適応した、採用適性検査をプラスした採用活動を提案したい。

「これまでうまくいっていた」≠「これからもうまくいく」

経験とは長年のケーススタディが積み上がったものだ。時間をかけて初めて得られるもので、企業にとっては貴重な財産のひとつだ。人事にも同様に「これまでこういう人を採用したらうまくいった」という経験が蓄積され、それが今の採用活動にも反映されていることが多い。

こうした経験則に依存した採用活動は、間違いではない。これまでと同じような経済環境や人事環境が今後も続くのであれば。グローバル化や価値観の多様化、働き方に対する考え方の変化など、採用活動を取り巻く環境は大きく様変わりした。

そんな時代において、これまでうまくいったからといって経験則だけに頼るのはリスクがある。それでも近年の採用活動がうまくいっていたとしたら、もしかするとそれは偶然良い人材に巡り会えただけで結果オーライだったのかも知れない。

仮に、経験則から面接で良い人材を見分ける能力に長けた人事担当者がいたとしても、その母集団に良い人材が含まれているかどうかは偶然に頼ることになる。

母集団形成を偶然に依存させない

面接では引き続き経験則のウェイトを高くするとしても、面接で会う人の質を高めるための母集団形成に採用適性検査の活用を提案したい。なぜなら、筆記試験だけでは知識や「頭の良さ」を知ることはできても、その人のポテンシャルや潜在的な資質などは分からないからだ。

もしかしたら、応募者の中に筆記試験の成績は良くなくても高いポテンシャルを秘めた人材、その企業での仕事が天職となりうる人材が眠っていて、それに気づかないまま筆記試験の結果だけで不合格となっているかも知れないのだ。

以前と違って今は応募者が無尽蔵に集まる時代ではなく、限られた応募者の中から中身のある母集団形成をする必要が高まっている。だからこそ、偶然に依存しない母集団の形成に科学的なアプローチである適性検査を活用する意義がある。

採用後の問題回避にも適性検査を役立てるべき

もちろん、このことは多くの企業に認識されており、これまで多くの適性検査が考案されてきた。今も適性検査は進化を続けており、応募者本人ですら気づかないような一面を浮き彫りにすることも可能になってきている。

しかし、その一方で適性検査が各々の企業にとって採用活動にマッチしたものであるかはあまり検証されていない。汎用性の高い適性検査をしておけば大丈夫という漠然とした安心感があるのかも知れない。

経団連の調査でも選考にあたって重視した点として「コミュニケーション能力」「協調性」と、「主体性」「チャレンジ精神」が毎年のように上位ランクインしている。このことは責任ある社会人としての自分をしっかりと持ちながら仕事で関わる人たちとうまくやっていける人物像を求めていることに他ならず、裏を返せば、近年関心が集まっているメンタルヘルスの不調や問題行動を起こす人物を採用しないようにしたいという本音も垣間見られる。

せっかく適性検査の必要性を認識して採用活動に導入するのであれば、こうした採用後の問題を事前に回避できる効果的なものであるべきだ。

この記事のまとめ
この記事のまとめ

面接を主体とした経験則のウェイトが高い採用活動は今も多くの企業で行われている。しかし、これだけだと母集団形成の段階で良い人材を見分けられるかどうかが偶然に依存することになる。良い候補者だけを面接試験に通過させることで初めて、面接官の経験則が活かされる。採用後の問題を未然に回避する意味でも、母集団形成の段階でそれぞれの企業にあった適性検査を実施するべきだ。