採用検査HowToガイド

12. どんなことがわかる?採用適性検査のメリット/デメリットとは

2015.05.25

12. どんなことがわかる?採用適性検査のメリットデメリットとは

近年普及が進む採用適性検査だが、適性検査をすることによってどんなことが分かるのだろうか。もちろんメリットがある一方でデメリットと呼べるような部分もあるため、利用する際は両方認識しておく必要がある。
採用適性検査で分かること、そしてメリットとデメリットの関係について考察してみよう。

人物の客観的評価と将来のポテンシャルを知る物差し

採用適性検査を実施する最大の目的は、その人がどんな人なのかという潜在的なパーソナリティを知ることだ。特に見極めの必要性が高まっているストレス耐性については適性検査でストレスに弱いかどうか、さらにどう弱いのかといった評価が可能なので、面接でその部分を確認することで人物評価の精度が格段に向上する。ひとつの事例を挙げると、自分自身を客観評価できない人はストレス耐性が低いことが分かっている。そのような人物像が適性検査で浮かび上がっている人に対して「ミスを指摘された時どうするか」という質問を投げかけてみれば、適性検査の結果を確認しながら人物評価ができるというわけだ。
以上の点を踏まえて、採用適性検査のメリットを列挙するとこのようになる。

  • 人物の客観的な評価
  • 潜在的な性格や仕事への姿勢を把握できる
  • 面接官の主観による影響を受けず、人物評価が安定する
  • 現在だけではなく将来的なポテンシャルが分かる
  • 潜在的なリスク因子が分かる

 

どれもおおむね根幹にあるものは同じなので派生的なものが多いが、最後に挙げたリスク因子についての情報を得たいと思っている企業は非常に多く、HR総研の「人事支援サービスに関するアンケート調査」においても、今後の重点項目としてストレス・メンタルヘルス診断を挙げる企業が圧倒的で、関心の高さが窺える。(http://www.hrpro.co.jp/research_detail.php?r_no=83
今後は、ストレス耐性への客観的な評価が最大のメリットと見なされるようになっていくだろう。

採用適性検査は万能ではない

一方で、採用適性検査のデメリットと呼べるような部分にもスポットを当ててみよう。デメリットについても正しく認識しておかないと、あたかも万能であるかのような錯覚に陥り、盲目的に適性検査の結果を信用しすぎることになる。結果、目の前にいる金の卵を逃してしまうかも知れない。採用適性検査のデメリットは、主に以下の通り。

  • コミュニケーション能力や創造性など人間としての魅力を測るには限界がある
  • 適性検査によっては対策が出回っていて正しい結果が得られにくい
  • 自社の採用活動に合った適性検査でないと効果が薄れてしまう
  • 適性検査を過信すると優秀な人材を見逃してしまう可能性がある

 

こうしたデメリットがあることを認識しておくことで、適性検査の結果だけを鵜呑みにした採用活動に陥るリスクを軽減できる。採用の現場では面接の結果と適性検査の結果にギャップが生じる場合が多い。この時、どちらを信用するのかという判断を迫られることになるが、最終的に重要なのは面接であるも今ことは昔も変わらない。
エン・ジャパンの適性テスト に関するアンケート調査でも「面接の参考資料」「面接だけでは見極められない要素の評価」という2つの回答が群を抜いて高く、適性検査を採用可否の補完的な手段と位置づけていることが分かる。(http://partners.en-japan.com/edit_enquetereport/old/052.cfm

この記事のまとめ
この記事のまとめ

近年ではストレス耐性などメンタルヘルス診断に適性検査を重視する傾向が強まっており、適性検査に求めることが変化している。こうした項目も含めて客観的な人物評価に威力を発揮する採用適性検査だが、決してそれが万能ではなく、あくまでも採用活動の精度を向上させるための補完的なものであることを認識することで、より採用活動に役立つものとなる。