採用検査HowToガイド

13. 採用適性検査の効果的な事例に学んでみよう

2015.06.08

13. 採用適性検査の効果的な事例に学んでみよう

多くの企業で導入されている採用適性検査。特に規模の大きな企業での導入率が高く、株式会社シンカの「適性検査に関するアンケート調査」では従業員数500人以上の企業では95%の利用率となっており、ほぼ全ての企業が何らかの形で実施している。同調査では従業員数500人以下の企業でも73%の利用率なので、規模による程度の差はあるものの普及が進んでいると見て良いだろう。(https://www.hrpro.co.jp/result_091023_01.php

これだけ普及が進んでいるということは、導入企業ではさまざまな事例が生まれているはずだ。すでに導入している企業では採用適性検査がどのように活用され、採用活動が変わったと実感しているのだろうか。効果的な事例に学んでみたい。

 

メンタルヘルス不調の問題を事前に把握

社会問題にもなりつつあるメンタルヘルスの問題は人事に多大な影響を与えており、採用時にリスク因子を把握したいというニーズが高まっている。HR総研の「2015年新卒採用中間総括調査」によると、特に大企業でその傾向が強く、組織への影響を懸念していることが窺える。(http://www.hrpro.co.jp/research_detail.php?r_no=92

導入企業の多くで適性検査は、こうした問題への対策として効果が実感されている。採用時にリスク因子を発見するのはもちろんのこと、採用後の異動や管理職人事などにおいても適性検査を活用する事例が多くなっており、心の病を未然に、または早期に発見することに役立てられている。

 

早期退職者の減少に成功

適性検査の目的は採用したい人物像に近い応募者を見極めることだが、その一方で採用してはいけない人物を見つけ出すことにも活用されている。仕事への適性が低い、組織的な風土に合わない人など、早期退職につながるリスク因子を持っている人を事前に見つけることができれば、採用活動のコストを圧迫する早期退職者の減少につなげることができる。

採用してはいけない人物像という視点を持つことで採用活動のリスク回避に役立てられている事例は多い。

 

いわゆる「ダイヤの原石」を発見

採用の段階ではポテンシャルが表に出ていないものの、将来的に能力を開花させる人材も多くいる。従来の選考では将来的なポテンシャルまで測ることは難しく、採用適性検査が活用されている。

多くの調査結果を見ても、適性検査を通じて知りたい項目のトップは性格や気質などの特性で、その次に来るのが適職診断、業務適性などの項目だ。応募者がまだ学生の場合、社会人経験がなく実績から業務適性を測ることはできない。そこでポテンシャルを測るために適性検査の出番となる。

筆記試験や面接だけでは選考に漏れていた人物が、適性検査で業務の適性が示され、採用にいたった結果、組織に無くてはならない人材に成長したという事例はその典型だ。

 

採用活動のコストとリスクを削減

適性検査には、採用活動を最適化するメリットもある。人物評価を短時間かつ低コストで行うことで採用活動が迅速化され、経済的・時間的なコスト削減につながる。応募者にとっても長時間の時間的拘束や来社回数の多さなどの負担を軽減できるため、双方にとってメリットがある。

特に新卒採用の場合は採用までのステップが多くなることが応募者に敬遠される。このようなリスクを軽減し、多くの導入企業が採用活動のスリム化に成功している。

 

この記事のまとめ
この記事のまとめ

採用適性検査のメリットは多岐にわたるため、導入企業での成功事例にもさまざまな視点がある。その中でも目を引くのが、メンタルヘルス不調や問題社員リスク因子、採用してはいけない人の見極めや、その逆となるダイヤの原石のような人材の発掘だ。こうした成功事例は採用適性検査なしでは生まれなかったため、効果を実感しやすい。